「気のせい」ですまさない
「気」という言葉は、みなさんの身近で案外と使われています。たとえば、「病は気から」という慣用句。これについては、江戸時代の儒学者、貝原益軒が『養生訓』のなかで、「病とは、気を病むことである」と説明しています。まさに気を病むと「病気」になります。その「気」について、この章では説明します。
漢方でいう「気」とは、生命活動をいとなむエネルギーのことです。元気、気力、気合の「気」です。気持ち、気分といったココロの状態も含んでいます。
四〇歳からの日常の不調は、更年期障害のような日常生活を送ることさえも難しい場合をのぞき、多くは病気とみなされません。とはいえ、この年代は、病気でなくても、「気」が体内でうまくめぐらなくなったり、「気」自体の量が少なくなったりすることで生じる不調が多くみられます。
「気」に限らず、第二章での「血」や、第三章で説明する「水」も含め、「病気ではないけれども、健康でもない」という状態に悩まされることが多いのが、四〇歳以上です。こうした状態を漢方では「未病」といいます。
しかし、「病気ではないから、放っておこう」といった”不調の先送り”は危険です。なぜならば、四〇代でのケア次第で、五〇代からさらに体調が悪くなってしまうか、逆に不調が楽になっていくか―へとたどる道が分かれていくからです。
未病を克服するにあたっては、ちょっと気になる程度の不調であっても、「気のせいということはない」と意識してほしいのです。このことは、どの年代にもいえることですが、特に四〇歳からは、つねに忘れずにいてください。
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