40歳からの体の不調
40歳を過ぎると、加齢による老化で心身がいろいろと変化していきます。み なさんにまずわかっていただきたいのは、こうした心身の変化に対するカラダの 反応は、「健康だからこそ起きている」のであり、不定愁訴と呼ばれるさまざま な不快な症状でさえも、体内の変化によって生じる「正常な心身の反応」なのだ、 ということです。
人は、とかく不快な症状に直面すると、「カラダに異常が起きているので は?」「元の状態に戻そう」と考えやすいものです。鼻水が出て喉が痛いと、「風 邪のウィルスにやられたかもしれない」と、薬を飲んで、「鼻水や喉が痛くない、 元の自分」に戻ろうとします。
しかし、40歳を過ぎて起こる「不調」、いわゆる更年期症状は病気ではない ので、わざわざ「これまでの元の自分」に戻そうと、あせる必要はありません。 むしろ、40歳からの心身の変化に対して、「どのように順応していったらいい のか」と前向きに考えるぺきなのです。
「正常な反応」の代表的な例としては、「毎朝、化粧をするのが、おっくうになってきた」 といった日常生活の些細に思えることや、「暑くもない電車内で、自分だけ突然首から上に汗が噴き出してきた。数分して 汗が落ち着いたと思ったら、今度はソクソクと寒気がした」 といった身体的なものなど、いろいろあります。
いずれの状態も「これまでの自分」とは違うことなので、ショツクだったり、 落ち込んだりするかもしれません。しかし、病院で診察や検査をしてもうつ病や 器質的な疾患といった問題がないようであれば、どちらも「体内変化に対する、 心身の正常な反応」といえるのです。
ですから、それぞれの症状への私からのアドバイスとしては、 ―毎朝完璧に化粧をしようとするのではなく、たまには省略したり、発想を 転換して「すっぴんでもキレイな肌」を目指すようにしてみてはどうでしようか。
―体温調節がうまくいっていないので、すぐに脱ぎ着できるような服装にし たり、ストールなどの羽織り物を持って外出するように気をつけてみましよう。 といったものになります。
40歳からの女性はだれもが、この「正常な心身の反応」である「不調」とつ き合っていかなくてはいけません。そのため、「必ず化粧しなくては」「汗が出た ことがショック」といった、「これまでの元の自分」を基準にした「戻そう(リ セット)」とする考え方ではなく、不調がいま以上に悪化するようなことがない ように、不調が少しでも軽減できるように、と「不調に上手に対処(コーピッ グ)する」というつき合い方に変えていかなくてはいけません。不調とどうつき 合うかによって、その後のみなさんの健康状態が左右されてしまう、といっても 過言ではない、大事な時期でもあります。
また、原因不明の不調と向き合うだけでも大変なのに、病院に行ってもなかな か原因がわからない場合も少なくないでしょう。しかし、不安からいろいろな医 療機関を訪ね歩く「ドクター・ショッピング(より安いものを買い求めてあちこ ちのスーパーマーケットなどを回る様子に似ていることから、こういわれていま す)」をする前に、まずは、自分に見合った心身とのつき合い方を、このサイトで見 つけてほしいと思います。
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ランニングーブームも要注意
近年、ランニングを楽しむ女性が増えています。なかには、フルマラソンに挑戦する方も少なくありません。ランニングをつづけていると、血中の鉄分が流出して貧血になりやすく、特に女性はその傾向が強いので、鉄分やタンパク質、ビタミンCやカルシウムなどを多めにとるなど、食生活の工夫が必要なことは、よく指摘されています。
特に四〇歳からのランニングやマラソンを楽しむにあたっては、漢方の「気」の面での注意も必要です。
ある四〇代前半の女性患者さんは、疲れやすく、のぼせやすい。月経も数ヵ月こない、との訴えで来院しました。聞くと、一年ほど前から「健康にいいから」と友達からすすめられ、ランニングをはじめたとのこと。学生時代はスポーツのサークルに入っていた経験があるものの、ここ二〇年近くは本格的な運動はしていませんでした。